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NADH:ユビキノン還元酵素 (水素イオン輸送型) (NADH:ubiquinone reductase (H+-translocating)) は、NADHからユビキノン(CoQ)へ電子2つを転移させる酸化還元酵素であり、その際に生体膜の片側から反対側へと水素イオンを輸送する酵素である。ミトコンドリアの内膜や原核生物の細胞膜に位置し、プロトン濃度勾配を形成することでATP合成や膜電位の維持に寄与する。多数のペプチドから構成されるタンパク質複合体であり、酸化的リン酸化を行う呼吸鎖の“入り口酵素”の1つであることから、複合体Iとも呼ばれる。習慣的にNADH脱水素酵素(NADH dehydrogenase)と呼ばれることが多い。 == 反応 == NADHデヒドロゲナーゼはミトコンドリアの電子伝達系における始めの酵素(複合体I)である。電子伝達系には、NADHデヒドロゲナーゼ(複合体I)の他、補酵素Q-シトクロムcレダクターゼ(複合体III)、シトクロムcオキシダーゼ(複合体IV)の計3種のエネルギー変換酵素がある。NADHデヒドロゲナーゼは電子伝達系の中では最も大きく、かつ複雑な酵素である。 :NADH + H+ + CoQ + 4H+in → NAD+ + CoQH2 + 4H+out この過程では、複合体IはNADHを一分子酸化させるごとに4個のプロトンをミトコンドリアマトリックスから膜間スペースへ汲み出す。プロトンが膜外に汲み出されることにより発生した濃度勾配によって、最終的にATPシンターゼによりATPが合成されることとなる。 この反応は可逆的(例えば高膜電位のときコハク酸によりNAD+が還元される)であるが、正確な触媒機構は未だ判明していない。 興味深いことに、複合体Iにはアポトーシスを誘発する役割を持つ可能性がある。実際には、ミトコンドリアの活動とプログラム細胞死(PCD)との相互関係が体細胞胚初期において示されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「NADH:ユビキノン還元酵素 (水素イオン輸送型)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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